1964年10月10日の雷雨
1964年10月10日,東京五輪の開会式が行なわれました。
開会式が10月10日に決まった経緯については,この日が晴れの特異日だったからとする俗説がいまだに語られることがありますが,それがデタラメだという件については能天気Express~新世界版~ 10月10日は晴れの特異日ではなかったをご覧下さい。
簡単にいうと,10月10日を開会式とする案はもともとは存在しなかった,それどころか10月開催という案すらはじめは存在しなかった――ということです。
さて,その1964年10月10日,北出清五郎アナウンサーの「世界中の青空を集めてきました」というようなアナウンスのとおり,国立競技場の上空には抜けるような青空が広がりました。気象庁の公式記録である「気象要覧」にも次のように記述されています。
特に10日のオリンピック開会式当日は,前日までぐずついていた天気も一挙に快晴に逆転し,奇跡的ともいわれるほどの最上の五輪日和になった。
ところがこの日,ちょうど日本選手団の入場行進が行なわれていたころ,世田谷の一部で落雷があったという記録があります。
その記録自体は手元にないのですが,
昭和39年10月10日,世田谷地方は一瞬,集中的な雷雨に見舞われ,お宅の前のトランスに落雷,付近一帯は午後2時30分から3時まで停電。当時の東京電力の記録です。
と橘警部が読み上げています。
えっ,橘警部? 橘警部って……???
はい,そうです。これはフィクションであり,実在の人物・事件等とは何の関係もありません。1985年10月10日に放送された「特捜最前線スペシャル 疑惑のXデー・爆破予告1010!」に出てくる話です。